自費出版 諸外国の納本制度

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納本制度について

諸外国の納本制度
アメリカの納本制度
アメリカ合衆国では、アメリカ議会図書館が納本図書館として指定されています。
アメリカの納本制度の特徴は、
納本制度と著作権登録制度が組み合わされている点にあります。
著作権法407条により、合衆国国内で発行されるあらゆる著作物は、
最良版の完全なコピーを2部、議会図書館の内部部局で、
連邦の著作権行政を行う著作権局に無償で納本することが定められており、
納本された著作物は、ここで著作権登録が行われます。
納本と同時に著作権登録を行う仕組みにすることで、
同図書館内に国内の文献がほぼ自動的に集まってくるようになっているのです。
ただし、著作物が5部未満しか発行されていなかったり、
各複製物に通し番号が付与されるような貴重なものである場合や、
議会図書館著作権局長が特に認めた場合に限り、完全な納付は免除されます。
一方で、正当な理由なく納本を怠った者には、罰金が科されることになっています。
イギリスの納本制度
イギリスの納本制度は、18世紀の初頭に著作権法によって規定され、
その後、何度も改定を重ねながら整備されてきました。
1911年、イギリス国内で発刊された図書は、
出版後1ヶ月以内に大英図書館に1部を納本することが義務づけられ、
これが現在まで適用されています。
イギリスでは、大英図書館以外にも、
ボードリアン図書館、ケンブリッジ図書館、トリニティ・カレッジ図書館、
スコットランド国立図書館、ウェールズ図書館の5館が
納本図書館として指定されていますが、
発行後すぐに納本することが義務付けられているのは、
大英図書館のみです。納本された図書は、半永久的に保存され、
大英図書館の編纂する全国書誌に収録されます。
なお、他の納本図書館は、大英図書館に納本された
図書の複製品を1年以内に受け取る権利が与えられています。
フランスの納本制度
フランスの納本制度は、1537年のフランソワ一世のモンペリエの王令により、
王立図書館への納本義務を課したことに始まるとされています。
近年は、1993年に制定された法令により、
発行者が4部、印刷者が2部を指定機関に納本することが義務付けられていましたが、
2006年、納本する側と、される側双方の経費や管理面での負担を軽減し、
少数の納本資料を確実に管理することを目的に納本制度の改定が行われました。
この改定により、納本部数が削減され、
現在は、発行者が2部、印刷者は1部を納本することになっています。
ちなみに、発行者の2部のうち、1部はフランス国立図書館へ納本され、
もう1部は国内外への寄贈・交換に利用されます。
一方、印刷者の納本分は、各地域の納本図書館で保管されます。