判型について
判型とは
本の大きさのことを「判型」といいます。
判型には、使用する用紙の仕上寸法によって、
A判、B判、四六判、菊判などがあります。
このうち、A判とB判は、日本工業規格(JIS)の規格寸法で、
書籍のほとんどは、この規格サイズに従って作られます。
規格外の判型では、四六判がよく使われます。
- [A判]
A判は、1929年にドイツの工業規格を
そのまま日本工業規格(JIS規格)に採用したもので、
A1〜A7の判型があります。
A判サイズの本を作る時は、
A列の原紙(仕上がり寸法に裁断する前の大きさの紙)を使います。
A判の基となる全紙(A0判)の寸法は、
841mm×1189mmで、これを横半分に裁断したものがA1判となります。
このように、A0判を基準にして順次横半分に裁断することによって、
A1〜A7の判型ができるのです。
たとえば、よく見かけるA4判は、
A0判を4回裁断したものということになります。
A判は、合理的で利用価値が高いため、
国際規格(ISO規格)にも採用されています。
- [B判]
B判は、日本独自の規格で、
江戸時代に公用紙として使用されていた美濃判がルーツです。
明治、大正時代には、美濃判が基になって作られた
四六判が多用されていましたが、
当時はまだ規格が統一化されていませんでした。
その後、規格の標準化が進められる中で、ドイツ規格のA判が採用されましたが、
一方で、伝統的な四六判を残すことが求められていました。
そこで、A判の面積を1.5倍にすると、
四六判に近いサイズ(B6判)の用紙がとれることから、
これをB判として規格化しました。
日本の公文書では、長い間、B判(B4判、B5判)が使われていましたが、
1990年以降、国際規格である
A判(A4判、A5判)が使用されるようになっています。
- [四六判]
明治時代にイギリスから輸入されたクラウン判が基になっています。
クラウン判は、日本古来の判型として親しまれていた
美濃判の約8倍の大きさだったことから、
最初は大八ツ判と呼ばれましたが、
裁断すると4寸×6寸のページが32面とれることから、
四六判と呼ばれるようになりました。
- [菊判]
明治時代の中頃、アメリカから輸入した紙の商標が「ダリア」だったことから、
日本語訳の夏菊からとって菊判と呼ばれるようになったとされています。
また、この紙を半分のサイズにして新聞用紙として使用していたため、
新聞の「聞」の読みである「きく」を
「菊」に変えて菊判と呼ぶようになったという説もあります。
菊判は、現在でも単行本などに使われています。
判型のサイズと主な用途
本の内容によって、使われる判型は、ある程度決まってきます。
たとえば、文庫本ならA6判。小説やエッセイ、文芸書などの単行本は、
B6判か、それよりひとまわり大きい四六判を使うのが一般的です。
また、専門書、学術書、ビジネス書には、A5判が多く、
写真集や美術書、絵本などのビジュアル系の書籍は、
A5判以上の大きな判型にするのがポピュラーです。
判型は、本文の字の大きさやレイアウト、ページ数にも関わってくるので、
ご自分の本の内容にふさわしいのはどのサイズなのか、
よく検討した上で決めましょう。
■A判
判型 |
サイズ |
主な用途 |
A4判 |
210×297 |
書籍、雑誌、写真集、パンフレット、カタログ、電話帳 |
A5判 |
148×210 |
文芸誌、一般書籍、学術書、教科書、ビジネス書 |
A6判 |
105×148 |
文庫本、辞典、パンフレット |
A7判 |
74×105 |
手帳、ポケット判辞典 |
■B判
B4判 |
257×364 |
画集、グラフ誌 |
B5判 |
182×257 |
書籍、雑誌、週刊誌、カタログ |
B6判 |
128×182 |
書籍 |
B7判 |
91×128 |
手帳 |
■規格外の判型
四六判 |
128×186 |
書籍 |
菊判 |
150×220 |
書籍 |
AB判 |
210×257 |
ワイド判婦人雑誌、美術、建築雑誌 |
重箱判 |
182×206 |
絵本 |
新書判 |
103×182 |
新書本、パンフレット |