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エッセイ

So What! ボクが見つけた神様の贈りもの

著者/橋本正博
サイズ:四六判
製本:ソフトカバー
ページ数:230ページ
(カラー+モノクロ)
発行日:2008年3月30日
価格:1,500円(+消費税)
ISBN:978-4-903935-04-1
ご好評につき、完売いたしました。

英国の「ホンモノ」に憧れ、
ジャズやオーディオなど趣味の世界に生きる
「凝り性」の団塊オヤジのエッセイ本。
商社マンであった彼の「海外おもしろ話」や
ちょっと辛口な「日本批評」もあり、軽い語り口で一気に読める! 
遊びや趣味を人生の中心に考える人には読んで損のない本。

橋本様は他にも書籍を作られています。


エッセイ
So What's New?


エッセイ
So What's Next?


遺稿集
濱さん作品集


内容紹介(一部)
Ⅰ 商社マンの「取っておき」海外小話
...My Personal Anecdotes in Foreign Countries

ボクは22歳の時から33年間商社に勤めた。仕事は一貫して資源エネルギー関連。石油の貿易業務とLNG(液化天然ガス)のプロジェクト業務。その間、通算12年海外に駐在した・・・ロンドン、西豪州のパース、ロシアのサハリン。仕事で訪れた国は30 カ国以上、海外都市は70カ所以上、乗った飛行機の離着陸回数は多分1000回くらい!
 いわゆる僻地も随分訪れた・・・サハリンのノグリキと最北端のオハ、西豪州のカラサ、マレーシアのビンツル、イラクのバスラ、ヨルダンのアカバ、アルジェリアのアルジェなど。そして、色々な所でかなり「ヤバイ」目にもあっているが、一度も事故らしい事故に遭遇することも、怪しい風土病に罹ることもなく、今現在、元気に生きていることに感謝している。
 外国語を自由に操り、カッコよく世界中を飛び回っているというのが「商社マン」の一般的なイメージであるが、現実には決してそんなことはなく、陰では人に言えないような失敗や苦労も数限りなくしている。世界のさまざまな国に行ってみて、そして住んでみて感じたことは、顔かたち、言語、歴史、文化、習慣などが違っていても、「人間の考えていることは皆同じ」ということ。
 ここでは、ボクが海外で体験した「ちょっと面白い話」や「ちょっと怖い話」、一般の海外旅行では味わえない「珍奇な話」のいくつかを紹介したい。ただ、10年も20年も前の話が多く、今現在どうなっているのかはよく分からない。だから、海外旅行のガイドとしてはあまり役には立たないと思うが、「昔、一人の日本人商社マンとその家族が海外でこんなことをやっていたのか」ということが分かって頂ければ幸甚である。


「英国」編

英語とイギリス人は少し変?

初めてロンドンに赴任した時、英語が通じなくて苦労した。発音はアメリカよりずっとハッキリしているのに、まず単語がアメリカ英語と違うのである。学校でアメリカ英語を習った者としては、英語ではない別の言葉のような気さえした。例えば、バスは「コーチ」、エレベーターは「リフト」 、チェックは「ビル」、サブウェイは「アンダー・グラウンド」、ビューティフル・ディは「ラブリー・デイ」、ベリー・グッドは「ジョリイ・グッド」と実にキリがない。
 初めてロンドンで家を借りた時の家主は英国中流階級の老婦人であったが、彼女との会話には苦労した。ボクが一生懸命「英語」で話をしても、ニコッと笑って「アイム・オーフリイ・ソーリー・バト・アイ・カーーント・アンダースタンド・アト・オール!」(誠に申し訳ないが、アンタの言っていることは全く分からん)などと言われる。
 これは余談だが、オランダの空港レストランで勘定を頼む時、「ビル、プリーズ!」と英国式に言ったら、何と「ビール」が出て来て驚いたことがある。
 こんな笑い話もある・・・ある男が自分の切符を駅の窓口で買おうとした。行き先はビクトリア駅。彼は窓口で「トウー ビクトリア」と言った。するとなぜか切符を2枚くれた。違う! 違う! 彼は考えて「フォー ビクトリア」と言い直した。すると今度は4枚切符をくれた。この場合、例えば「ビクトリア、ワン・アダルト=大人一人」と言えば切符を一枚ちゃんとくれる。
 更に、ロンドンのタクシーの運転手にはコックニーが多いので、なお分からない。8は普通「エイト」と発音するが、「アイト」と言わないと通じないし、OKは「オッカイ」。一度「次の角を右に曲がって」と言ったつもりがLとRの発音が上手く出来ず、車が左へ曲がった時にはかなりショックだった!
 特に難しいのが場所の名前。ロンドンには「ウオータールー」という大きなターミナル駅があるが、これがなかなか通じない。簡単そうだけれど「シャーロック・ホームズ」というパブに行く時にも苦労した。イントネーションが少しでも違うと全く通じないのだ。だから、発音しにくい場所の名前は、紙に書いて運転手に見せていた。
 それとロンドンに住んでいて「変だ!」と思ったのは、明らかにイギリス人と思える人が、やたらボクに道を尋ねたり、電車に乗っていると停車駅や行き先を尋ねること。東京で外国人にそのようなことを尋ねる日本人はいない。これは、ひょっとしてボクが英国人と思われているのかとも思ったが、そんなことはあり得ない。まあ、観光客には見えなかったのだろう。英国人には、外国人という意識はあまりなく、「世界中の人間は英語を喋って当たり前」と思い込んでいるフシがある。