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エッセイ

So What! ボクが見つけた神様の贈りもの

著者/橋本正博
サイズ:四六判
製本:ソフトカバー
ページ数:230ページ
(カラー+モノクロ)
発行日:2008年3月30日
価格:1,500円(+消費税)
ISBN:978-4-903935-04-1
ご好評につき、完売いたしました。

英国の「ホンモノ」に憧れ、
ジャズやオーディオなど趣味の世界に生きる
「凝り性」の団塊オヤジのエッセイ本。
商社マンであった彼の「海外おもしろ話」や
ちょっと辛口な「日本批評」もあり、軽い語り口で一気に読める! 
遊びや趣味を人生の中心に考える人には読んで損のない本。

橋本様は他にも書籍を作られています。


エッセイ
So What's New?


エッセイ
So What's Next?


遺稿集
濱さん作品集


はじめに
So What 全体扉
本文冒頭の扉イラスト

ボクは、今日本に沢山いるいわゆる「団塊オヤジ」の一人である。生活もこの年代としては平均的であり、特技や賞罰もないジミな存在である。強いて言えば、「凝り性」であり多趣味の人間ではある。また、仕事柄「海外経験」はかなり多いと言える。ただ、それだけである。高校までは祖父と親父の跡を継いで医師を目指していたが、なぜか医学部のない大学に入学、経済学を専攻し卒業後、丸の内の大手商社に勤めた。
 22才で入社し、33年間仕事一筋であったが、思うところがあって55才で退職、人生に一区切りをつけた。その後は第二の職場へは行かず、会いたい人とだけ会い、好きなことだけをやっている気ままな「自遊人」の生活を送っている。「本当にもう仕事はやらないの?」とか「ボクと一緒にまた仕事をやらないか?」と言ってくれる人も何人かいた。「会社を早く辞めて本当によかった」とか、「羨ましいなー!」と言う人もいる。今の生活は、当たり前であるが時間に追われることも仕事の重圧もなく大変快適であり、ボク自身は満足している。仕事を辞めてから、じっくり時間をかけて色々なことを深く考えるようになった。会社の仕事とはまったく別の世界がたくさんあることも分かった。そして新たな素晴らしい人々との出会いもあった。
 ここに書き記した小文は、ボクの頭の中にある「古い記憶」や「趣味」のこと、それに「少し偏った考え方」などをランダムに取り出したものである。従って、各小文の間には連関性がなく一冊の本としても一貫性に欠けるところはあるが、ボクという「一人の男の思考と行動」の一端を書いたものには違いない。

この小冊子の「好きなもの」を読まれた方の中には、「コイツはかなり贅沢なヤツだ」と思われる方も多いであろう。それはある意味事実かもしれない。ボクの家の衣食住の経費を考えた場合、家内や息子たちも含め、すぐに飽きてしまうような物や無駄な物は一切買わない。ボクもジーンズや靴などアナがあくまで買い換えないし、シャツ類は専ら「××クロ」製品を愛用している。車や家電製品の買い替えも7〜8年くらいはしないし、外食や海外旅行もほとんどしない。食については「料理上手」な家内の貢献が大きく、海外旅行については、仕事で海外にいたことがラッキーであった。そして、残ったオカネを趣味のことに注ぎ込んでいる。だから趣味に関しては「かなり贅沢」であると言える。
 ボクは「南仏プロバンスの・・・」で有名なピーター・メイルの本が好きであり、別荘ライフに対する憧れも彼の本と関係があるような気がする。中でも「贅沢の探求」と題する彼の本が好きである。英国贔屓のボクとしては、歴史と伝統に裏打ちされた熟練職人の技、正装した英国人のカッコよさ、格式あるホテル・レストラン・クラブでの洗練されたサービスなどには強く惹かれる。人間誰でも贅沢をしたいという欲求を持っているが、億万長者の場合にはその贅沢に際限がなく、かえって面倒な生活になりなかなか満足することができないらしい。しかし、一般庶民の場合には限られた範囲での「ささやかな贅沢」が許され、それに満足できるのであれば恵まれていると言える。

この小文を一冊の本にしようとしたのは、余りボケないうちに今アタマの中にある記憶や考えを書き出し、多分、多くの人にとっては余り面白くもないし参考にならないかもしれないが、「昔、こんなことを考え、こんなことをやっていた人間がいた」ということを残しておきたいと思ったからである。しかし、書き直しのできない活字にして残すということには勇気がいる。若くして亡くなったある有名なジャズ・ミュージシャンは、「一度演奏された音楽は二度と戻らない」というジャズの真髄を突く言葉を残したが、本にした場合には逆に未来永劫残るのである。数年後に読み返し、「何でこんなことを書いてしまったのか」とか、「もっと、こんなことも書けば良かった」と後悔することは目に見えている。しかし、時と共に考え方や感じ方が変化していくのも人間としては自然なことであると考え、一冊の本にすることにした。ある著名な文筆家に、「誰でも一生に一冊の本は書ける」と言われたのもボクの決断を後押ししてくれた。資料を調べたりして書いたものではないので、ボクの記憶違いや間違った事実の記載、それに不適切な表現も多々あると思うが、その点についてはどうかお許し頂きたい。