同じ音符字は基本義から自由になれない
――基本義による漢日字典。現代中国語「千字文」。
ギリシャ文字やラテン文字を見ても、
表音文字が表意文字から生まれたのははっきりしている。
中国語漢字はその道を「断念」した。単音節語として、
音節が日本語より多様でも、身体の発生器官に限界がある以上、
理論上無限の表意文字(意味)と一体となって、
「離れない」ようにするには、音声に意義(意味)を、
少なくとも、地方ごとにでも、
しっかりと結び付けておかないと、言語として成立しない。
表意文字の統一でしか中国を「統一」できない苦しい、難しい事情がある。
音声と漢字が表す意味が「離れがたく」結びついている、
過去にさかのぼって明らかにしようとする努力は、
各時代で多くの「研究者」があった。
その過程で多くの「韻書」が生まれ、文献、書籍として残っている。
日本人の場合、そこに行く前に、現代漢語のそれを頭に入れておかないと、
大概、「砂上の楼閣」になってしまう。
まずは、現代漢語の単音節の世界がどうなっているか。
音節がどんな意味の「揺れ具合」を持っているか。
まず、各グループの「核」となりそうな意味(「基本音義」)を設定し、
同じ四声、音節の構成漢字がその「基本音義」と
どんな関連、結びつきをもっているか、
提示したのが「漢日基本音義字典」である。
「基本音義字」を抑え、
そこから、連想・芋づる式に覚えていく、
「効率的、省力化」の方法。
(以下略)