まえがき
日本と中国は同じ漢字を使う文化なので、
共通分野が多く、理解し合うのは容易と言われて久しい。
これは錯覚だ。それなのに、日本人は自分たちに文字がなく、
外国語である「漢字」を日本語として読む「漢文学習」を手段として、
中国の古典を読み、自国の文化を育んできた。
目で見て理解する、また、理解したと思えるという利点の一方、
音声からの中国語理解は極めて苦手だ。
一部の学者を除いて、母国語を話す中国人と接する機会が限られていた。
しかし、中国の経済発展のおかげで、
生の中国語に接する機会は飛躍的に増え、
音声を通したコミュニケーション(相互理解)能力が
一般の人にも重要になってきている。
つまり、「ポイントだけ教えてもらい、あとは実地で」に
応えられる中国語本の必要性が高まっているのだ。
(以下略)