「いや〜お疲れ様、乾杯!」
「ありがとう、乾杯!」
研修が終了した一カ月後、
しなちゃんが長野からかけつけてくれた。
「候補生さんは、元気にやってるのかな?」
「うん、この間、電話が来たよ」
「なんだって?」
「センセイ、おじいさんおも〜いだって」
「ハハハ」
「会話が一番難しいって」
「やっぱりね」
「でもね、日本人の名前が漢字で読めるなんて、
えらいねって言われたんだって」
「へえ〜がんばってるんだね。よかったね」
「うん」
あれから、一年。今は、候補生からの電話もなくなった。
きっと、新しい生活が軌道に乗り、
それぞれの道を歩んでくれているに違いない。
(以下略)