母の米寿を記念して、歌集を編みました。
作歌は平成二年から平成十九年に亘り、歌を詠み始めてから、今年で丁度二十年が過ぎようとしております。昭和五十九年に栃木県の那須高原から、千葉県市原市の海辺に近い辰巳台に転居し、文化センター京葉にて日高堯子先生のご指導を賜り、歌誌「かりん」に記載された歌を小冊子に記録し始めました。
その後、平成七年に神奈川県二宮町の海と山に囲まれた百合が丘に居を移し、朝日カルチャーセンター・湘南にて来嶋靖生先生のご指導を賜りました。教室での充実した時間は、母にとりまして何よりの楽しみだったようで、歩行が困難になりましてからも、杖をつき、バス、電車を乗り継いで、息を切らしながらも、通い続けておりました。
この度は、来嶋靖生先生の序文を賜り、母は身に余る光栄と申しておりました。また先生には、ご繁忙の中、母の歌にお目をお通し頂き、貴重な助言を賜りました。本当にありがとうございました。心より厚く御礼申し上げます。
孫が生まれ、父を見送り、齢を重ねる年月の記録として、何かを残したいという思いが強く、歌集を編みたいと常々申しておりました。母が思いを籠めた歌集「羊」をご一読頂ければ幸いです。
この歌集を編むにあたり、ご助言、ご尽力下さいました片平阿佐子様に深く感謝申し上げます。
平成二十二年五月
ノ沼 将公