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夕暮れ時の冷たい雨だった。 私は赤い傘を差して立ち止まり 地面に落ちている哀しい星屑を 無心に見つめた。 扉を開ければ 金木犀の仄かに漂う甘い香りが 私を迎え入れるように 優しく包み込んでくれたのです。 私は金木犀に「行ってきます。」と言って 秋風と一緒に出掛けて行きました。 短い間だったけど私は嬉しかったのです。 夜になっても冷たい長雨は続き 地上の美しい星屑はキラキラと 暗闇の雨の中でそのまま静止している。