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書籍

英国一周鉄道知的旅日記
シニア夫婦一ヶ月のロマン

著者 / 寺内孝
サイズ:四六判
製本:ソフトカバー
ページ数:356ページ(モノクロ)
発行日:2008年8月11日
価格:1,600円(+消費税)
ISBN:978-4-903935-07-2
販売終了しました。

英国社会の研究者である著者が、
自らの目と足で確かめた一ヶ月間の英国旅行記!
旅先で出会った人々との交流、英国に関する歴史や文化など、
肌で感じた英国を紹介する一冊。

弊社発行の寺内孝著「英国一周鉄道知的旅日記」に記録された
寺内様ご夫婦の「旅の思い出」が朝日新聞のアスパラクラブで優秀作品に選ばれました。

→寺内様のホームページ
→朝日新聞アスパラクラブのログインページ

寺内様は他にも書籍を作られています。


内容紹介(一部)
8月30日(火) ロンドン市内へ

ホテルの食堂で朝食。われわれが待機していると、前日の案内嬢とは異なる20歳前後の、かわいくて優しそうな女子職員が食パン1本をかかえて急ぎ足で入ってきた。近くで購入してきたらしい。そのまま厨房に入り、ふたたび引き返してきて、「何がいりますか?」。そう聞かれても、イギリスで最初の朝食。どう答えてよいか分からなかったので“Toast and tea, please「.” それだけでよいのですか?」「イエス」というしかなかった。他の客の様子を見ていると、“English breakfast.”といっている。そういえばよかったのだ。

外出するにあたり、フロントの係員に「窓が壊れているので、荷物を預かってくれますか」(The window of our room isbroken, so could you keep our luggage in a secureplace?)と問うと、「部屋に置いていても大丈夫だが、心配なら持ってきなさい」。昨日の男性係員とは異なり、今日はイタリア系のような若い女性だ。しっかりしているし、失礼な態度はない。キャリー2つを預けることにした。そして彼女に「ちょっと質問してもよいですか。僕の情報では、このホテル、昔、マナーハウス だったとありますが、そうなのですか」(Can I ask you somequestions? According to my information, this hotel usedto be a manor house. Do you know if that is true?)「わたしはイギリス人でないから知らないが、ホテルの向こう半分は病院だったと聞いている」。

この日はロンドンのピカデリー・サーカス(PiccadillyCircus)の古書店ヘンリー・サザラン社へ立ち寄ることになっている。同社は1761年にヨークシャー州の州都(countytown)ヨーク(York)で創設され、1815年にロンドンに進出、2011年に創立250周年を迎え、近々、社史が発行されるらしい。創立年の1761年は、日本でいえば10代将軍徳川家治(位1760‐86)の時代だからずいぶん長い間古書店をやっている。この間、チャールズ・ディケンズの蔵書を買い取るなど大きな取引をしてきた社だ。長い営業年数に驚き、さすがはロンドン! と感心していたのだが、最近、考えを改める必要性にせまられた。というのは、この程度の営業年数の会社なら、日本にザラにあることを知ったからだ。いわゆる「老舗企業」で、最古の社は西暦538年創立、神社建築の金剛組。これを筆頭にゾロゾロ。関心のある向きは検索語「老舗 企業」で検索するとよい。

話は脱線したが、僕はこの古書店からチャールズ・ディケンズとウィリアム・サッカレーの蔵書目録の復刻本を販売してもらっている。原本は同社が1935年に出版した両文豪の蔵書目録で、僕はこの目録を同社の許可を得て復刻したのだ。もっとも、この書籍にはさらに原本があって、同社が1864年と70年に、それぞれの文豪の蔵書書籍の販売用に作成した目録がそれ。この2つを1935年に、当時の同社マネージャー、ストンハウス(Stonehouse)氏が合本、出版したのだ。両文豪の研究者には必携書だが品薄。だから、古書界に出ている価格が高価。僕は長いあいだ躊躇した末、約2万円で買った。本の状態がよかったので版権を所有している同社の協力をえて復刻し、結果、英米の学者・図書館からかなりの注文をえた。

この復刻本の件でマネージャーと会う約束ができていた。次はヘンリー・サザラン社と僕のホームページ:
1 http://www.sotherans.co.uk/
2 http://www4.ocn.ne.jp/~terauchi
(検索語“寺内 孝”で見つかる)

ホテルを出る前に、昨日客室へ案内してくれた若い女性に、ヒースロウ行きのバスの乗り場とバスのナンバー、帰りのバス等について尋ねた。彼女、昨日は緊張の様子だったが、今日は、ややリラックス。しごく丁寧に教えてくれた。スタッフはどの人もみな親切なので安心できる。

ホテルから外出するときやチェックアウトのとき、自分の部屋をきれいに整頓して出るのが僕たちの習慣。このホテルは連泊だから、まくらチップにコインを置いておいた。あの娘さん、取ってくれるだろう。  バスでヒースロウへ、ここからノンストップのヒースロウ・エキスプレスに乗車しロンドン・パディントン駅(Paddington)へ。乗車前に鉄道のインフォメーション(Ticket Officeと兼用)に立ち寄り、1ヶ月乗り放題のパス(地下鉄には乗れない)に使用開始日と最終日を記入してもらう。このオフィスはヒースロウ・エキスプレスの切符売り場のところにあったが、ここへ来るのにだいぶ探した。

電車のホームはかなり深い地下にある。ホームへ直行したが、途中改札口なし。検札は車内。約20分でパディントン駅着。ここも改札口なし。この駅はロンドンの玄関口だけあって大きい。地下鉄へ通じる階段は、ホームを出たところにあるから迷うことはなかった。地下鉄初乗り。切符を買わなければ。まごまごするのは禁物だ。幸い、切符売り場周辺に、駅員だろうか、テロ警戒要員だろうか、2、3人立っている。その1人に、乗車賃と乗り場などを聞くと親切に教えてくれた。

地下鉄の路線マップは、キーワード“london tube map”を入力し、次のサイトで、中ほどにある“tube map”へ。つぎに“standard tube map”へ進み、マップを拡大する。

http://www.tfl.gov.uk/modalpages/2625.aspx/

ロンドンの地下鉄料金は高い。「ゾーン1」は大人1人2ポンド(約400円)。いま(2007年5月末)なら1ポンド241円だから482円。ずいぶん円安になったものだ。教えられたとおりに地下鉄の「サークル(ライン)」に乗った。だが、車内で、電車の乗り間違いに気がつき、あわてて下車。つぎの電車に乗り換え。ピカデリー・サーカス駅はベイカルー(ライン)にある。ヒアリングがまずかった。