資料を読み、父は入隊してから
なんと忙しい日々を送ったのであったのだろうと感じた。
一刻も早く軍人を作り上げ、
そして戦場に赴かせたい。当時の軍政が伺える。
予備士官学校卒業後、歩兵隊から飛行大隊への転属となり、
満州からシンガポール、タイ、ビルマへの転進の連続。
そして激しい戦い。その後、敗戦色濃くなりビルマからの撤退。
陸軍病院から逃げてきたものの途中で事切れる人。
助ける人さえいない。
河を流れて行く死体。途中コレラにかかり病死した友。
昔、「ビルマの竪琴」という映画があったが、
その中で水島上等兵が仲間の所に行く途中で見た
悲惨な光景そのものである。
そして敗戦。帰国するまでの不安。
無事帰国したものの、日本の惨憺たる光景。
母親の死。この時の父の気持ちは、
いかばかりであったかは推察するまでもない。
(以下略)