1.子供と孫たちへ
この堀珊吉の小史は、昭和の初めに生まれ、
日中戦争、続いて第二次世界大戦(太平洋戦争)の激動の時代を過ごし、
神国日本は不敗と小学校で洗脳されていた軍国少年だった私が、
1945年8月15日の敗戦によって世の中が一変するのを体験したこと。
その後移り変わりの激しい日本や世界の情勢を背景に、
色々の経験を積み重ねながら70歳を迎えるまでの人生をごく簡単に、
出来るだけ正確に綴った心算である。
上辺(うわべ)は平和で豊かさに慣れきった日本で育った子供たちや孫たちには、
もう遠い世界の出来事としか感じられないだろうが、
ここに述べた今とは全く違うとも言える時代の流れに影響されながら
私の辿った人生を少し理解してくれることを願っている。
この手記は70歳の誕生の前年から書き始め記憶がまだ確かなうちにと
古稀に当たる70歳の誕生日で打ち止めにした。