語り合おうよ
「五十嵐さん、夕飯前にいっぱいどうだい・・・」という電話を心待ちにしている日々が続いています。昨今は、音信不通なので何かあったのだろうかと、私から電話してみようという気持ちに駆られるのです。
「岡崎さん、夕飯前にいっぱいどうだい」。何処かに出かけているのだろうか?
焼鳥屋の「いらっしゃい」さんか、居酒屋の「美味香朗」さんが集合場所です。「煮込み・冷や奴・いかさし・焼き魚・焼き鳥・野菜サラダ」が、二人のいつもの注文メニューです。ビールを呑みながら、それぞれの皿をつまみながらのひとときです。
現職の頃の話題は音楽教育のこと。管理職の頃は学校経営全般や組合対策。話題は尽きることなく家族のことや政治経済にまで及ぶのです。最近の岡崎さんは、お孫さんの成長ぶりに話が及ぶと、相好を崩される姿に接することができました。
器用で大工上手のあなたは、藻岩山の南斜面にログハウスを建て、仲間から絶賛を浴びました。
また、様々な野菜を育て、たくさん収穫しました。その時は、焼き肉パーティーを開き、岡崎さんが育て収穫された野菜に舌鼓を打たせてもらいました。その時のあなたは、まるで子どものようにはしゃいでいて、とても楽しそうに、嬉しそうに、おもてなしをされていたことが思い出されます。
あなたは芯の強さを持っており、あわせて気持ちの優しい方でした。しかも、努力家で勉強家でした。
二人で話をしている時に、「五十嵐さんは、自分の兄貴のようなんだよね」と、優しく語ってくれたことがありました。
兄上様のお人柄やご功績を誇らしげに語られ、そのお陰で自分の道標ができて、歩むことができたと話されていました。そのお話の中から、私ごとき者をその兄上様に似ていると評価してくださったことに、岡崎さんの人となりを表わしているものと、心から敬意を申し上げます。
余りにも突然のご他界だっただけに、今なお信じたくない心境です。そして、まさか私が葬儀委員長をお引き受けすることになるなんて・・・。
ですから、今でも電話がかかってくるような錯覚を起こすことがあるのです。
「五十嵐さん、・・・・・・」。
今日は、どんな語り合いになるのかな。難しい理論を語り合うのかな。お孫さんを語る岡崎さんの恵比寿顔が見られるのかな。兄上様のことかな・・・。思い出が走馬灯のように駆けめぐります。
岡崎さんが語った中に、「待つことも大切だが、こちらから行動することが大切だ」を思い出しました。
「岡崎さん、いっぱいどうだい」とメールを送ろう。
http://okazaki.jp/