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小説

私の小品集 ─母のこと 他

著 / 中嶌祥子
サイズ:四六判
製本:ソフトカバー
ページ数:88ページ
発行日:2013年4月30日
価格:800円(+消費税)
ISBN:978-4-903935-50-8
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内容紹介(一部)
母のこと

父には周囲の者が勧める嫁となる人が隣村にいた。
彼女は農家の娘だったから、父に嫁いでも家の田畑での即戦力となれた。

しかし、父は母との結婚を選んだ。

母の実家は町場で写真館を営んでいた。
母は一度嫁いでいたが、姑と合わず出戻っていた。

母は実家でブラブラしていたが、
彼女が親戚の家に遊びに出掛けた際、父と出会っている。

父方の者はこの母との結婚に皆反対した。

それでも父は強引に結婚してしまったのだ。

二人の情熱で私がすぐに生まれ、一年もすると燃え尽きてしまう。

母は、次の子を孕んだまま父と別れ、実家に帰って行った。

生まれた子は、まだ若かった母のため、
子の無い夫婦に養子として出される。

私は父の元に引き取られていた。

その後父は自分の職場である小学校の職員と結婚する。

相手も、離婚歴のある子持ちの人だった。

彼女は山間の寒村へ一人息子を連れ、
家財道具と共に私と父の暮らす家に入った。

ところが、彼女も一年足らずで父と別れるのだ。

雨上がりの薄暗い日に彼女等はどこかへ去ってしまった。

乳飲み子を残して・・・

女の子だった。

(以下略)