私の美容ストーリー
コンプレックスが私の美容の出発点
私は子供の頃から、自分の容姿にとてもコンプレックスがありました。
というのも、八歳年上の姉が、近所でも評判の美人だったからです。
いつも姉と比較され、「お姉ちゃんはきれいなのに、妹はね…」と言われたり、
「かわいい弟さんね」と男の子に間違えられたり…。
きれいな姉に憧れる反面、そんな言葉に傷ついて、
「私はよそからもらわれて来た子かも」と本気で考えたこともありました。
高校生になった頃、私は、有名なオペラ歌手マリア・カラスに憧れて、
本格的に声楽を学ぶようになりました。
当時、声楽家は、太るように指導され、プリマドンナを夢見ていた私は、
スリムなスタイルを目指すより、食べて太る道を選択したのです。
短大に入る頃には、胸もお腹もお尻にも、たっぷりお肉がついた、
完璧な“おばちゃん体型”になっていました。
おかげで、いつも実年齢より十五歳は上に見られるし、
同世代の友人たちは、皆きれいな子ばかりで、
合コンに行っても、私は見向きもされません。
姉にしても、友人にしても、私はいつもだれかの引き立て役。
そんな自分が嫌になり、「キレイになりたい!」
「せめて年相応に見られたい!」と切実に思うようになりました。
思えば、多感な年頃に抱いていたコンプレックスこそが、
私の美容家としての原点になったのだと思います。
(以下略)