編集後記
このささやかな一冊は、母、菅根和子が、
夫の百か日を済ませた昭和58年5月9日から
胸腺癌で闘病生活をおくる直前の平成11年6月7日までの間、
大学ノート27冊に約16年間書き留めた日記の中から
191日分を抜粋し、編集したものである。
編集に際しては、一日分の全文掲載を原則に、
文章表記も個人の息遣いを尊重し、原文のままとし、
最小限の誤字脱字の訂正のみに留めた。
選択した日記は、故人にとっても記憶にとどめたいであろう楽しい日々、
その人柄が浮き彫りになっている日々を選んだつもりであるが、
紙面の制約から故人へのご厚情を賜りながら
割愛したエピソードも数多くあり、
その非礼をこの場でお詫び申し上げる。
また、71年間に及ぶ人生の中の16年間という断片であるものの、
人生後半の喜怒哀楽が全て織り込まれた27冊であり、
その重みを改めて認識するとともに、
一日一日読み進める中で、
忘れかけていた己が恥ずべき行状に直面し、
慚愧の思いで額に汗する場面も多々あった。
(以下略)