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刊行案内(一部抜粋)
お客様インタビュー
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刊行案内
内容紹介(はじめに)はじめにこれまで武田信玄の正室三条夫人は、長年の間高慢で嫉妬深い悪妻として、否定的に捉えられ貶められ、不当な扱いを受け続けてきた。 だが、彼女のそういったイメージのほとんどは、主に作家達の憶測、小説やドラマなどのフィクションから派生しているものであり、曖昧なものであるにも関わらず、いつしかこれが史実とすり替わってしまっている。 しかし、三条夫人が高慢で嫉妬深く信玄と不仲だったという史料は、同時代および近世にも存在せず、一切史料に基づかないものである。 三条夫人に関しては、菩提寺の円光院に伝わる、実際の夫人の人柄を知る上で重要と思われる、史料が残っている。 それによると、三条夫人は温和な人柄で信仰心が篤く、信玄と夫婦仲も良く、また武田信玄の正室として、武田家、甲斐国領民のために、いろいろと努力していたというのである。 しかし、この史料は現在に至るまで、学者や作家間ではほとんど黙殺状態と言っていい。 この文書に関して真面目に言及したり、全文紹介したりしている書籍も、三条夫人の基礎研究と言っていい、武田氏研究第一人者である、上野晴朗氏の「武田信玄の正室―円光院三条夫人 新人物往来社」以外では、まず目にした事がない。 どうも、三条夫人に関して主に作家による一般書などで紹介される場合、一切この史料が活用されず、父・夫・子の名前など、ごく一般的な情報しか公開されず、後は主に作家の偏見ある憶測によって埋められており、評伝というより、小説と言った方がいいようなものばかりである。またその紹介のされ方も、彼女自身の生涯や生活振りというより、子供達の人生に関連付けられて述べられるのみで、断片的な紹介のしかたしかされていない。 どうも三条夫人に関しては、このように執筆者側により、恣意的な情報の取捨選択が行なわれる事が多く、これではなかなか夫人の名誉回復や正当な評価も進まないのでないかと思う。 そして、一向に彼女に関して見方が本格的に改められる動きがないため、数年前からもはやほとんど関心すら持たれない存在となってしまった。そして武田信玄の高慢で嫉妬深い正室という、ゴシップ的な関心しか持たれない存在になってしまった。
三条夫人は、いわば作家からも、学者からも見捨てられてきた存在だったのである。 |