歌集 | 外は吹雪て

書籍画像「外は吹雪て」

著 / 田中矩子
編 / 田中 眞

  • サイズ:四六判(H188xW127mm)
  • 製本:ハードカバー
  • ページ数:236ページ
  • 発行日:二〇二五年三月十六日

内容紹介(一部)

外は吹雪て

黒板に書かれし大き文字太きみ声若かりしかな先生も我らも

研究室の隅に椅子よせ開きたるうた会の日に帰るすべなし

えぞ萱草霧笛なる岬に咲きてゐし吟行会のかの日はるけし

(以下略)

雪を恋う

生まれたのは神戸だけれど、ものごころついてからつい三年程前迄、私は北海道に住んでいました。父の転勤の度に、雪深い北に、雪こそ少ないけれど寒さ厳しい東にと、度々住いを代え、結婚後四年経った今、此の地に腰を落ちつけて住むようになった。

幼児二人を抱えては、洗たく物を外に乾かせる冬、暖かい冬は有難いけれど、でも私は矢張り雪が恋しい。寒さが恋しい。

(以下略)

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