短歌集 | 山桜花
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著 / 荻原ユリ子
編 / 荻原淳志- サイズ:四六判(H188xW127mm)
- 製本:ハードカバー
- ページ数:242ページ
- 発行日:2024年12月25日
内容紹介(一部)
一 選歌
用水堀に米のとぎ汁したゝれる縁のぬめりを日は浮きたゝす
鉄骨を組む半ばにて起重機は首上げしまゝ夏に入りゆく
ドラム缶一つころがる細径をのぼりのぼりて梅林に着く
(以下略)
二 長流短歌会掲載歌
昭和六十三年十一月
見晴らし良き藤坂峠に降り立てば黄の蝶二つ山峡を飛ぶ
咲き群るる待宵草に風立ちて積乱雲は原をおほへり
せせらぎの音聞こえくる山峡にくれなゐ深し水引草は
軒に来て羽をやすめる初蟬を妹の魂といひし母も亡き
茗荷のはしりを友にもらひたり刻みて夕餉の冷麦に添ふる
(以下略)