句歌集 | つれづれに
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著 / 安田和弘
- サイズ:四六判(H188xW127mm)
- 製本:ソフトカバー
- ページ数:196ページ
- 発行日:2024年1月6日
内容紹介(一部)
小学校低学年の頃年上の者に連れられて、何度か寒鮒を突きに行ったことがある。寒鮒は当時飼っていた目白に与える擂餌にするもので、この寒鮒を焦げるまで焼いたあと、炒糠や細かく刻んだ青菜と一緒に擂りつぶして作る。
器用でなかった私の簎の先は、一度も獲物に届くことはなかった。
石かげの魚しづまりて水透る
簎もちて藻陰の鮒を狙ひけり
(以下略)
平成七年
竹藪の葉擦れ幽き境内の墓碑をめぐれる初春の午後
藪椿の咲きしづまれる境内に墓地造成の重機置く寺
古川なる川床浅き堀川に餌漁る小鷺の孤影の揺れる
(以下略)