小説 | 黎明 THE BEGINNING
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著 / 竹内一尊
- サイズ:四六判
- 製本:ソフトカバー
- ページ数:160ページ(モノクロ)
- 発行日:2009年8月8日
- 価格:952円(+消費税)
- ISBN:978-4-903935-19-5
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内容紹介(一部)
第一章
スカンジナビアの日はみじかい。
太陽は明瞭な姿を顕すことなく、灰色の空を通して放散する熱を紺碧の海に吸収されながら、やがて遠い島陰に沈んでゆく。
よわよわしい熱の気配が消え入るさまを、カキバは断崖の上からながめていた。しだいに潮が満ちてくる。ごうっ、と打ち寄せる波濤が岩礁に叩きつけられ、白い藻屑となって四散する。
あたりが暗くなり、海鳥の群れもいつしか姿を消している。また雪が降りはじめた。
カキバは踵を返して歩きだす。雪のつもった足もとに視線を落とし、岩場からその先へとつづく丘陵のほうに向かって歩いていく。
数日前まで枯れ草が覆っていた丘陵は、いまや冬の到来を確信するように白い世界に変わりつつある。遠目に見える森では、異種の混交する樹々が雪と風とにわずかな熱を奪われまいと、青黒く、そして静かな歩調を合わせて波打っている。
カキバは雪を踏み締めながら丘陵をのぼっていく。その気配におどろいたアナウサギが不意に飛び跳ね、降りしきる粉雪のなかへと消えていった。
(以下略)
あとがき
人はそれぞれ自分なりの尺度を持っている。違う環境に生まれ、育ち、違う知能を持ち、違う生きかたを選んで得た、尺度である。その尺度をもって人は他者を測り、分析を試みようとする。その尺度が著しく矮小なしろものであったとしてもだ。無理解と誤解、そして曲解はそこに生ずる。
書くということは何かヒキョーに似たりけり、と徳川夢声は書き遺したという。世に向けてペンを振るう者はこのことを深く胸に刻んでおかなくてはなるまい。他者を扱うときは礼儀をわきまえ、出来るかぎりその卑怯に近づかないよう細心の注意を払うべきだろう。小学生が大学生の精神性を理解できる筈がないのである。他者Aのことを書きたくば他者Aと同じ道をくぐり抜けて来るがいい。当然ではないか。
この小説は人類アフリカ起源説をもとに二〇〇三年に執筆を終えた作品である。人間はみな同じ血を受け継いでいる。その基本を忘れずにいることを自らの戒めとするため、私は今回この小説を発表することにした。私のなかの根幹の部分でその真理は現在でも息づいている。
(以下略)
竹内様からいただいた「お客様の声」
もっと低コストのところがあり迷ったけれど、
ブックコム編集者の手腕にかけて大正解。
東京都世田谷区 竹内一尊様
- ―自費出版を行うにあたって、悩んでいたことがありましたか?
- 出版社によって金額に差がありすぎるのは何故なのか疑問だった。また、その差によるメリットとデメリットが解らず、考えていた。
- ―弊社を知ったきっかけは何でしたか?
- 友人にインターネットで調べてもらった。
- ―弊社を知ってから、弊社で自費出版するまでに、何か躊躇することがありましたか?
- 極力安く上げたいと考えていたので、御社よりも5万円ほど安いところにしようかと迷った。
- ―弊社で自費出版をしようと決めた一番の理由はなんですか?
- 一番安い出版社の編集者の精神年齢が低すぎたことと、同時に三浦さんの手腕にかけてみたいと思ったから。
- ―実際に弊社で自費出版してみていかがでしたか?
- 良くやってくれたと思う。誤植等が一切なく、仕上がりも良かった。次作も自費出版せざるを得ない状況であったら(笑)、また三浦さんに編集をお願いしたいと思っている。ただ、1行の文字数はやはり全て同一にしてほしい。
- ―再度、自費出版するとしたら、このようなサービス、このような商品があったらいいと思うものがありますか?
また、弊社へのご要望等ありましたらご自由にお書きください。 - もっと時間があれば、何ページにどの文章が来る予定かも知りたかった。出来上がりの文字サイズなども実寸で知りたかった。